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2011年05月27日

ポテサラ物語



うちのマスターはポテトサラダを愛している。

マスターは昭和27年の生まれ。終戦から7年がたち物がないという時代でもなかったろうが、それでもふんだんに食べ物があるという食料事情でもなかったか。ジャガイモは貴重な主食であったのか。

そんな背景を思い偲ぶとポテトサラダという料理とも言えないシンプルな料理に彼はのすたるじーを感じ、オノレのゲンフウケイをそこに再現しようとするのは鮭が生まれた川に回帰する行為にも似ている。

ヒマさえあればポテトサラダをしょっちゅう作っているのだけれど、そこには変質的なこだわりがある。
材料はジャガイモ、キュウリ、魚肉ソーセージ。特に魚肉ソーセージに関しては、ハムでもベーコンでもなくそれでなくてはならないと主張するところに少年時代の思い出を追いかける彼の気持ちが偲ばれる。

店で出す際には器にこれでもかと盛り付けるため、お客からは
「多すぎて食べきれんばい」
「品がない」
「もすこしシャレたらどげんね」
と罵詈雑言浴びるも馬耳東風なのである。

だいやすのポテトサラダにはマスターの物語が詰まっているのだ。

彼は今日もポテトサラダに醤油をたっぷりかけて美味しそうに食べている。



Posted by ダイヤス at 16:24│Comments(0)
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