
2011年09月13日
背信

前回から、ご飯ものつながりで、うちの店の焼飯の話し。
うちのマスター、焼き鳥屋のくせに串を焼くときはむっすりしてるのに、焼飯を作るときは実に楽しそうにつくる。
本来は「マスター盛り」に表れているように、大雑把でいいかげんな人間だ。
しかしながら、こと焼飯の具材に関しては、猟奇的なまでに細かくきざむ。
時間をかけてねちっこく。
やがて材料が揃うと中華鍋をぐわんぐわんやり始める。
コンロまわりにごはんや具が飛び散らかってもお構い無しに、一心不乱に振り続ける。
愛情と憎悪が入り交じった倒錯の形相で。
出来上がった焼飯を充実感いっぱいで皿に盛るマスターの姿は、どことなく完全燃焼した高校球児に似ている。
それ程までに焼飯とそれを作ることが好きなのだ。
だのに、取材に来たディレクターに、
「やっぱりあれですか!飲みのシメはシシリアンライスですか、佐賀では!」
と聞かれると、
「そうですねー、シシリアンですかねー」
って思いきり流されやがって。
Posted by ダイヤス at 15:01│Comments(0)